1993 年 82 巻 12 号 p. 2064-2065
症例は60歳女性.主訴は左下腿種瘤.近医にて胸部X線写真上の右上縦隔の腫瘤影を指摘され当科に紹介入院.血液検査にてACE,リゾチームの軽度の上昇を認め,画像診断上肺門,縦隔リソパ節腫脹あり.左下腿のMRIでは腫瘤はT1強調, T2強調とも内部がlow intensity,辺縁がhigh intensityを示した.左腓腹筋内腫瘤の生検にて乾酪壊死のない類上皮性肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断.サルコイドーシスの筋病変のうち腫瘤型サルコイドーシスは本邦で約60例の報告が認められるのみのまれな疾患で, MRIが特徴的所見を示すことから診断に極めて有用と考えられ報告する.