日本内科学会雑誌
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Coenzyme Q大量療法を試みたミトコンドリア遺伝子異常(3243変異)を伴う糖尿病の1例
薄井 勲沢 丞井上 昭朝日 寿実高田 康光大角 誠治小林 正
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1995 年 84 巻 11 号 p. 1904-1906

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抄録

症例は23歳女性. 11歳で感音性難聴を, 19歳で糖尿病を発症した.遺伝子解析によリミトコンドリアロイシンtRNA 3243変異が指摘され,本異常症による糖尿病の症例と考えた.血中乳酸,乳酸/ピルビン酸比の上昇,内因性インスリン分泌能の著明な低下,不安発作が認められた. coenzyme Q大量療法により,不安発作の消失,血中乳酸値の低下が認められ,本疾患に対する有効な治療法であると考えられた.

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