日本内科学会雑誌
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2.甲状腺分化癌の治療
三村 孝伊藤 國彦
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1997 年 86 巻 7 号 p. 1184-1189

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抄録

甲状腺分化癌の治療方法として先ず挙げられるのは手術であることに異論はない.しかし手術方法,甲状腺切除の範囲,リンパ節郭清の要否,範囲については,甲状腺専門医の間でも論争が続いている.米国では甲状腺全摘(total-thyroidectomy)ないし准全摘(near total-thyroidectomy)を行い,術後131Iを用いたアイソトープ治療(以下RI治療)を勧めるものが多い.リンパ節郭清にはあまり重点がおかれていない.これに対し,わが国では,亜全摘(subtotalthyroidectomy)ないし葉切除(lobectomy)を行い,これにリンパ節郭清(modified neck dissection)を加える方法が一般的である.どちらの治療法が優れているか,現在のところ,術後成績,予後についてはそれほどの差違は見られず.一概に優劣は判定できない.

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