1997 年 86 巻 7 号 p. 1196-1201
甲状腺未分化癌の診断は,超音波と穿刺吸引細胞診で可能になった.治療は発見時,癌が既に全身化しているため化学療法が中心である.われわれの行っているシスプラチン(CDDP)を中心にした化学療法, EAP (Etoposide, Adriamycin, CDDP)およびEP療法で,抗腫瘍効果は7CR+13PR/29,奏効率は69%であり, MST (Median Survival Time)は149日, 1年生存率38.4%と良好であった.絶望的な本疾患も,比較的早期に診断可能になり治療に灯火が見えてきた.