抄録
症例は25歳,男性,検診で心拡大を指摘されて受診.心エコー,心膜生検,心膜ドレナージによりprimary chylopericardiumと診断.胸管造影により,胸管から縦隔ヘリンパ液が漏出,さらに大動脈基部を経て,心〓内へ漏出したと思われる所見を得た. primary chylopericardiumはそのメカニズムも治療法も確立していない稀な疾患である.今回,画像上興味ある所見を示し,治療上有効と思われる胸腔鏡下胸管クリッピング,心膜開窓術を行い,術後,良好な結果が得られたので報告する.