日本内科学会雑誌
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2.要因と症状
山口 佳寿博
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2001 年 90 巻 2 号 p. 199-206

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抄録

急性肺動脈血栓塞栓症は本邦においても徐々に増加傾向にある.病態の本質は深部静脈に形成された血栓による肺動脈の閉塞であり,診断を誤ると多くの患者を致死に至らしめる重篤な疾患である.肺動脈血栓塞栓症には特異的な症状が存在しないが,綿密な問診と確実な理学所見によって診断が可能な疾患である.本項では,肺動脈血栓塞栓症を疑うのに必要な血栓形成の要因,自覚症状ならびに理学所見について詳細に整理した.本疾患は難しい諸検査に頼るのではなく臨床所見を中心に過診断を恐れず積極的に疑い,出来る限り早く診断しなければならない疾患であることを強調しておきたい.

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