日本内科学会雑誌
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メトロニダゾールの静脈内投与が有効であった汎発性腹膜炎併発アメーバ性肝膿瘍の1例
久多良 徳彦小穴 修平小野寺 佳奈石田 弥照井 虎彦遠藤 昌樹千葉 俊美猪股 正秋折居 正之鈴木 一幸
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2004 年 93 巻 1 号 p. 150-152

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抄録
症例は52歳,男性.主訴は発熱.腹部CT検査にて,肝右葉のほぼ全体を占める膿瘍を認めたため経皮経肝膿瘍ドレナージ(PTAD)を施行した.膿瘍液よりアメーバ原虫が検出されたためメトロニダゾールの内服(2,250mg/日)にて治療を開始したが効果がなく,メトロニダゾールの静脈内投与(1,500mg/日)に変更したところ発熱や腹膜炎の改善を認めた.メトロニダゾールの内服にて改善が得られないアメーバ性肝膿瘍重症例や下痢などによる吸収不良例に対しては,メトロニダゾールの静脈内投与が有効である.
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