日本内科学会雑誌
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1.日本人の疫学
榊原 博樹
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2004 年 93 巻 6 号 p. 1069-1076

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抄録

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は無呼吸-低呼吸指数(AHI)が5/h以上の睡眠呼吸障害(SDB)と日中の眠気などの自覚症状をもつときに診断され,その有病率は30歳以上の男性の4%,女性の2%を占める.症状の乏しいSDBを含めると30歳以上の男性の24%,女性の9%にも達する. SASは言うに及ばず,症状の乏しいSDBであっても,放置されると高血圧の発症因子となり,冠動脈疾患や脳血管障害の発症にも関与する. SASのほとんどは,舌や咽頭軟部組織(軟口蓋や扁桃など),顎顔面形態などの異常に基づいて発症する.肥満はSASの増悪因子だが, SASの発症にとって十分条件でも必要条件でもない.

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