2004 年 93 巻 6 号 p. 1109-1113
チェーン・ストークス呼吸症候群(CSBS)は中枢型睡眠呼吸障害の一病態であり,うっ血性心不全あるいは中枢神経疾患に伴う周期性呼吸をいう.臨床症状はいわゆる睡眠時無呼吸症候群と同様に日中の傾眠や全身倦怠,睡眠障害が主体である.重症うっ血性心不全の30から50%に合併するとされ,無呼吸低呼吸指数(AHI)≧20の患者では生命予後を悪化させるため,治療が必要である.治療は酸素療法やCPAP(continuous positive airway pressure)療法が試みられ,臨床症状や生活の質はもとより心不全の改善をもたらすことが明らかになっている.