日本内科学会雑誌
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脂質メディエーターと肺疾患
長瀬 隆英
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2004 年 93 巻 6 号 p. 1206-1210

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抄録

アラキドン酸を起点とする代謝産物であるPAF,プロスタグランジン,トロンボキサン,ロイコトリエンなどは脂質メディエーターと総称されている.アラキドン酸は,リン脂質からホスホリパーゼA2によって切り出され,アラキドン酸カスケードと呼ばれる経路を経て様々なエイコサノイドを生成する.エイコサノイドは,ごく微量で多彩な生理活性作用を呈するのが特徴であり,呼吸器系においても重要な生理的意義を有することが示唆されている.例えば,気管支喘息, ARDS,肺線維症などの呼吸器疾患発症機序において,エイコサノイドは極めて重要な生理的意義を有することが推察されている.今後,各々のエイコサノイドがもつ生理的意義・重要性が解明されることにより,難治性呼吸器疾患に対する有効な治療法・治療薬の開発および実用化が期待される.

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