日本内科学会雑誌
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5.胃切除後症候群とその対策
加藤 俊幸秋山 修宏本山 展隆新井 太稲吉 潤船越 和博
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2005 年 94 巻 1 号 p. 80-84

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抄録

胃切除後症候群は,胃切除に伴う機能の欠損や障害によって引きおこされる.機能的障害としてはダンピング症候群,消化吸収障害,輸入脚症候群などがあり,器質的障害としては術後貧血や骨代謝障害,逆流性食道炎などがある.消化性潰瘍に対する手術例が激減した一方で,近年は胃癌切除後の長期生存例が増加するにつれて慢性的な術後障害の問題も変化している.胃切除後の障害は手技上避けられないが,患者のQOLの維持のために長期にわたる注意深い術後管理と生活指導により障害を軽くすることができるため,内科医も診療上注意が必要である.また定期的な内視鏡検査による逆流性食道炎や残胃癌,食道癌の早期発見も忘れてはならない.

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