抄録
屋外歩行者の温熱快適性や熱中症リスクは,歩行者が歩行経路に沿って経験する熱ストレスの蓄積と,それに伴う人体生理量の変化に基づいて評価することが適当であると考えられる。また,歩行の向きによって歩行者が曝露される風環境が異なるため,これに伴い歩行者の人体生理量,さらに温熱快適性や熱中症リスクが変化すると考えられる。本研究では、歩行者が曝露される物理環境と歩行者の人体生理量の同時計測,及び非等温CFD解析により,歩行者が曝される風環境が人体生理量及び歩行者の温熱快適性に及ぼす影響を定量評価した。さらに,街路空間に導入した種々の暑さ対策技術の功罪を歩行者が経験する熱ストレスの蓄積に基づき定量的に評価した。