抄録
鋼材の腐食因子の一つである飛来塩分量の測定法として一般的なドライガーゼ法は,木枠の内部にガーゼをはめ込んだ装置によって塩分を捕集する.しかし,捕集装置周りの粒子の飛散挙動やガーゼ部への粒子の付着機構は詳細に検討されておらず,本手法による捕集塩分量と実際の大気中の塩分環境との対応は明らかになっていない.本研究では,個々のガーゼ繊維による粒子の捕集効率を,ガーゼ繊維を模擬した円柱周りの流れ場解析に基づいて検討した.解析の結果,円柱による粒子の捕集効率は,流れのレイノルズ数や粒子径とともに,円柱の配置パターンおよび円柱間距離に大きく依存することが明らかとなった.