抄録
都市の温暖化対策として海風を効果的に利用するためには、海風の気流性状及びこれと市街地内の温熱環境との関係の解明が重要である。本研究では、上空の海風の気流性状を分析するため、2台のドップラーライダーにより宮城県仙台市の中心市街地上空の気流性状を計測した。また、これと地表付近の温湿度変化の関係を評価するため、ドップラーライダー計測と同期間に、仙台市内において温湿度の多点同時測定を実施した。この結果に基づいて上空を吹く海風の鉛直及び水平方向の速度変動の性状をスペクトル解析により評価するとともに、地表付近の温湿度へ及ぼす影響を分析した。