抄録
橋梁の耐風設計において、風洞実験によって空力振動の確認を行う際に風の迎角設定の問題がある。迎角は、地形の影響による定常的な傾斜角、風速変動による変動傾斜角、橋桁のねじれ変形による相対角度によって、生じるとされている。このうち、風速変動による変動傾斜角については、過去に理論的考察がなされており、開けた地形に建設される1,500m級の吊橋では±3°程度の迎角で良いとされている。本研究は、橋梁上での風観測データ、風洞実験結果に基づき、風の変動傾斜角設定に関する理論的考察を検証するとともに、より一般的な変動傾斜角設定の考え方を示す。