抄録
市街地での強風によって、歩行者が負傷することがある。市街地の気流分布を早急に推定することで、強風現象を対応し、歩行者の安全を守ることができる。本研究では、機械学習に基づく手法としてGenerative Adversarial Network (GAN)を用いて、立方体建物群モデル内の気流分布を推定した。本論文では、GANによる結果は、真値としてのlarge-eddy simulationデータと、他の気流分布を推定できる手法としてのProper Orthogonal Decomposition-Linear Stochastic Estimation (POD-LSE)による結果と比較した。GANが流線と気流分布を推定できることを確認した。POD-LSEによる結果と比べて、GANにおいて、再現の推定精度が向上した。さらに、代表点において、GANによる速度推定値に関する確率密度関数は、真値のものと極めて近くなることを明らかにした。