抄録
建物解体工事時には、周囲への粉塵などの影響を減らすために、足場に取り付ける形で防音パネルが設置されることが多い。防音シート(強風時には巻きつけられる)とは異なり、取り外すことが難しいため、強風が予測される場合でも風荷重を低減することはできない。そうしたことが要因となり、防音パネルが取り付けられた足場の強風時の倒壊事故の頻度は高い。本研究では、代表的な団地の形状の建物解体時のいくつかの段階に応じて、防音パネルに作用する風荷重を風洞実験で測定した。大きな開口部が存在する場合には、足場の技術指針よりも大きな風力係数となる部位もあり、壁つなぎなどの適切な設計が必要であると考えられた。