抄録
台風は、人命や建造物にしばしば大きな被害を及ぼす、自然災害のひとつである。それらの被害を少なくするため、様々な法律や基準による対策がなされている。米国では、重要な建造物において、より長期な再現期間における自然災害のハザード評価が行われつつおり、日本においても同様になることが考えられる。そこで、長期の再現期間による台風の強風ハザード評価を行うため、米国原子力規制委員会のガイドを参考に、モンテカルロ法を用いた台風ハザード評価法を構築した。構築した評価法における移動モデル、強度評価モデル、風速場モデルは、概ね妥当な結果を得ることができたが、それぞれのモデルにおける改善が必要な課題も明らかにした。