高齢女性の骨密度と体格・運動習慣について調べ,健康生活を送る方法を見出すための基礎資料を得ようとした.調査対象者に対して,骨密度(ALOKA社製),体格(タニタ体組成計),握力(セノー株式会社LB9011),運動習慣について質問紙法調査を実施した.骨密度と,年齢(p<0.01),体重(p<0.05),体脂肪率(p<0.01),握力(p<0.01)との間には,相関がみられた.体重が多く体脂肪率が高いほど,骨密度は高いという結果だった.しかし,これらが高すぎると身体に悪影響を及ぼすことも考えられるため留意する必要がある.また,握力の高いものほど骨密度は良好であった.骨密度と運動習慣の関係では,日常的に運動を実施している者は骨密度が高かった(p=0.026).また運動不足だと感じている者ほど骨密度は低かった(p=0.045).高齢期では,体格を維持し,筋力をつけることと,日頃の運動習慣が重要であることが明らかとなった.