名古屋文理大学紀要
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地域在住の前期高齢者と後期高齢者の栄養状態と骨密度および握力
上田 洋子加藤 恵子水谷 恵里花小田 良子
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2016 年 16 巻 p. 33-38

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抄録

本研究は,地域在住の前期高齢者と後期高齢者の栄養状態と骨密度および握力の関連性について検討した.調査対象者に対して,骨密度(ALOKA社製AOS-100),握力(セノー株式会社LB9011),簡易栄養状態評価表(Nestle Nutrition Institute・Mini Nutritional Assessment(MNA))を実施した.前期高齢者と後期高齢者の間に,骨密度(p=0.013),握力(p=0.010),MNA の問C(自力で歩けますか)(p=0.046)で差がみられた.いずれも後期高齢者よりも前期高齢者のほうが高値を示した.また,骨密度と握力との間に相関(r=0.168)が認められた.高齢者になるほど骨粗鬆症やロコモティブシンドローム(サルコペニア)のリスクが高まることが確認された.握力は将来の自力歩行の低下や寝たきり,および低栄養状態になるリスクの予測を立てることに有効であることが示唆された.

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© 2016 名古屋文理大学
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