オーストラリアにおける連結財務報告 －連結財務諸表の発展と連結会計基準－
2003 年 3 巻 p. 69-75
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2003 年 3 巻 p. 69-75
本稿は,「会計基準の国際的統一に向けた欧州・北米・アジア・オセアニア諸国の対応と諸問題」に関する研究の一環として,オセアニアとりわけオーストラリアにおける連結財務諸表の発展と現行の連結会計基準に焦点をあてて,検討したものである.連結財務諸表の発展については,ウィッタレッドの文献から会社法の規定や証券取引所の規則よりも1950年以降の公社債市場の急速な発展であることが理解できる.この時代のオーストラリアでは,アメリカやイギリスのような会計専門家による連結財務諸表についての公式見解はほとんど皆無であった.しかし,現在の会計基準は旧英連邦諸国における会社会計制度の特徴とされていた会計職業界からの自主規制の伝統が崩れ,会計基準に法的裏付けが与えられ,連結財務諸表の会計基準においても,AASB1024「連結財務諸表」において示されている.そして,それは他国に先がけて国際会計基準に統一化される方向にあることは極めて興味深い.
