2008 年 8 巻 p. 41-47
高齢者が生きがいを持って健康的な生活を送る方法を見出すための基礎資料とすることを目的とし,日常生活に関する実態について質問紙法調査を実施した.本稿では、身体状況と健康意識に関する項目について検討した.BMIは男女とも標準域にあるものの全国レベルよりも細身であった.また,ウエスト周囲径の平均は,男性84.4cm,女性83.9cmであった.服用している薬があると回答した者は,男性63.6%,女性57.0%であり,男女共に血圧降下薬が多かった。特に女性ではコレステロール降下薬を服用している者も多くみられ,この服薬の種類には男女間で有意な差がみられた.さらに,ウエスト周囲径および服薬の内容から,メタボリックシンドロームが強く疑われる者および予備群の割合をみると男性は25.4%,女性では14.0%であった.また健康の3本柱である栄養・運動・休養に関する意識では男性,女性では若干違いがみられたものの良好な結果であった.健康の自己評価も高く,その背景には栄養・運動・休養との関連性が示唆された.