名古屋文理短期大学紀要
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パンの水分量と弾性率
長谷川 孝子沼沢 忠祐
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1990 年 15 巻 p. 65-69

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抄録

パンの水,砂糖の配合差及び乳化剤の添加が及ぼす影響をパン生地,調製パン,1日保存パンについてレオメーターによる弾性率の物性値と水分量を測定した.またパンについては水分活性も測定し,パンにおける配合差を物性値と水分量から明らかにした.1)調製パンの水分量は水添加の高いものが高く,砂糖添加3%と6%の差は焙焼,保存時とも6%添加が水分の蒸散を抑える傾向がみられた.2)乳化剤によって,焙焼,保存時とも水分の蒸散を抑える効果があった.中でも1%モノステアリン酸グリセロール添加の効果が高かった.3)パン生地の弾性率は水添加量と反比例した.4)調製パンの弾性率は砂糖添加量に大きく関係し,6%砂糖添加が3%添加より弾性率は低く,軟らかいパンであった.また6%砂糖参加では1日保存で弾性率の上昇を抑える効果が著しかった.5)乳化剤添加のパン弾性率は無添加パンに比べ,焙焼,保存時とも低かった.中でも1%添加がその効果が大きかった.6)パンの水分活性は1日保存によっパン中の水分量は減少したにもかかわらず,上昇傾向を示した.終りに本研究はエリザベス・アーノルド富士財団の研究費助成によった.また本研究に対し,ご好意下さいましたフジパン株式会社ならびに同財団及びご指導頂いた諸先生に深く感謝の意を表します.

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© 1990 名古屋文理大学
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