名古屋文理短期大学紀要
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家庭における米の使用状況調査
畔柳 英世近藤 みゆき
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1991 年 16 巻 p. 119-128

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抄録

家庭における米の消費の状況を知るため,女子学生の家庭を対象として,1989年6月にアンケート調査を行い,111名の回答を得た.その結果を要約すると次のようである.1)111名全ての回答者は米食を取り入れており,米食の回数について回答のあった106件の平均米食回数は,週間10.7回であった.2)購入する米の種類は,白米が93.6%を占め,月間の平均購入回数は1.4回であったが,1回購入は58.4%,2回購入は25.8回と二峰型の分布を示した.米の購入にあたって,袋に記載の日付に注意しない人は72%と多かったが,日付関心派と無関心派の間の,購入日の日付経過日数には差がなかった.3)米の1回購入量は10kgが最も多く,次いで20kgであった.1回に購入した米を消費する日数は,平均24.6日で最高頻度は30日,ついで15〜20日に第2のピークがある二峰型の分布を示した.1回の炊飯量は1単位を180mlとして平均4.36単位であったが,最多項値は3単位,中央値は4単位であった.また,1回炊飯量と1回購入量との間に高い相関が認められた.4)購入した米の保管場所は台所が最多であり,保管容器は米びつなどの専用容器が82.9%,第2位は缶の11.4%であった.保管に当っての注意事項は,低温で乾燥状態を保つというのが21件で最高であったが,注意事項なしと無回答を合わせると50件となり関心は高くなかった.保管中の虫害変質比ついては,虫害のみ経験ありが30%であった.虫害の経験の有無は保管日数の長短と関係あるか検討したが,有意性は認められなかった.5)米の包装形態,資材,方法についての意見,希望は18件あったが,その中で今のままでよいという意見も6件であった.包装の形態・構造については,女性が取り扱いやすいようにしてほしいという意見や,包装単位を小さくしてほしいという希望があり,流通面でのキメ細かい配慮が望まれる.

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© 1991 名古屋文理大学
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