名古屋文理短期大学紀要
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パンの物性と水分活性に及ぼす小麦蛋白・澱粉添加の影響
長谷川 孝子沼沢 忠祐
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1992 年 17 巻 p. 49-52

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抄録

パンの調製,保存時の水分挙動に関与する小麦粉成分因子を究明するため,小麦粉に小麦蛋白,小麦澱粉を添加しパンを調製,保存した.そのパン生地及びパンについてレオメーターによる弾性率,応力緩和率の物性と水分量またパンの水分活性を測定した.その結果次のことが明らかになった.1)パンの水分量は無添加に比べ,小麦蛋白を添加したパンは低く,小麦澱粉を添加したパンは高かった.また1日保存したパンも同様の傾向を示した.2)パンの水分活性は小麦澱粉を添加したものが水分量が高いのにかかわらずやや低い値を示した.1日保存したパンの水分活性はいずれのパンとも焙焼直後の値より上昇した.3)弾性率は小麦蛋白を添加したパン生地及びパンとも高かった.4)応力緩和率は小麦澱粉添加のパン生地がやや高く,くずれやすい生地であった.終りに本研究はエリザベス・アーノルド富士財団の研究費助成によった.また本研究に対し,ご好意下さいましたフジパン株式会社ならびに同財団及び小麦蛋白・小麦澱粉の試供を頂いたグリコ栄養食品株式会社に深く感謝の意を表します.

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© 1992 名古屋文理大学
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