名古屋文理短期大学紀要
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女子短大生と両親の形態意識の相違について(第3報)
加藤 恵子
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1992 年 17 巻 p. 81-92

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抄録

中年期(父親・母親)の形態について,青年期女子また中年期異性の形態意識を明らかにすることを目的として認識調査を実施した.その結果,次のことが明らかになった.1.被験者の体格は全国平均と比較し,学生は全国レベルであり,母親は小柄,父親は細身型であった.また体型の"太りすぎ""太りぎみ"は両親に多く,特に母親では42%が過体重者であった.2.父親の形態について①身長については自他共に"普通"と判断した者が多く,続いて"低いほう"としている.また願望は"このままでよい"と半数以上が答え,次に40%が"高いほうがよい"と考えている.そして被験者平均よりも少し高い数値を標準と考え,支持していることが明らかとなった.②体重については自他共に4割強が"普通",3割が"重いほう"と判断し,全国平均よりも軽いことを望んでいる.願望においても"このままでよい"が約半数以上を占めた.そして全国平均・被験者平均よりも軽い体重を支持していることが明らかになった.③理想とする身長は全国平均・被験者平均より5〜6cm高いことを父親・学生・母親は望んでいる.理想体重は被験者平均並の体重を理想としていることが明らかになった.具体的数値は理想身長171〜172cm,体重63〜64kgとしている.これらを総合すると現在の体型よりも細長体型を理想としているが,しかしこれは標準体型域を出ておらず適切な体型を望んでいることがわかった.3.母親の形態について①身長についての主観的評価では,母親・学生は"普通""低いほう"がそれぞれ40%であったが,父親では50%以上が"普通"であると判断していた.身長の願望については"このままでよい"と答えた者が母親・学生・父親共に60〜70%占めていた.そして母親・学生は被験者平均よりも高く全国平均(154.9cm)並の身長を,また父親は現在の身長に満足しているという結果が認められた.②体重についての主観的評価では,母親・学生・父親共に客観的評価とほぼ変わりない結果がみられ,母親の体格について正確に判断していると言える.体重の願望については母親は"軽いほうがよい"と60%が答えているのに対し,学生・父親では40%程度で,ここに意識の差が見られた.また母親・学生・父親共に"このままでよい"と答えた者は被験者平均・全国平均よりも軽い者であった.特に母親では"軽いほうがよい"と答えた者は全国平均レベルの者であった.③理想体型は母親・学生・父親共に現在よりも身長は高く,体重は軽い細長体型を好んでいることがわかった.しかし理想平均は標準体型域に位置しており,特に学生の母親理想体型は理想身長が高い者ほどやせぎみ傾向を理想身長が低い者ほど太りぎみ傾向を理想としている.

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© 1992 名古屋文理大学
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