名古屋文理短期大学紀要
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女子短大生の味覚感度について(第3報) : 味覚感度と食状況の関連性
加藤 治美江上 いすず
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1994 年 19 巻 p. 45-51

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抄録

食生活が多様化する中で過激なダイエットや加工食品偏重から起こる味覚異常が増加しついに病院では,味覚外来が開設された.女子学生の味覚感度の正常さを保持するためには食生活の是正にあると考え,味覚感度,食生活状況等の調査を行った.その結果,欠食習慣のある者の側に味覚感度が劣る傾向にあることがわかった.味覚感度と食品嗜好度の関係では,種実類,緑黄色野菜類,豆類,その他の野菜類が,味覚感度の良好な人に高い値を示し有意差を認めた.食生活スタイルを栄養バランス型,ボリューム型,グルメ型,ダイエット型,ファーストフード型に分類し各々の食品群の嗜好度を比較した.その結果高い有意差を認めたものは,油脂類,乳類,調理加工食品類であった.各食生活スタイルの欠食の有無と嗜好度については,欠食習慣のある者は各型とも嗜好度が低い傾向にあり片寄りがあるものと見られる.バランスのとれた規則正しい食生活は健康管理だけでなく味覚異常防止にも大切なことである.

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© 1994 名古屋文理大学
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