名古屋文理短期大学紀要
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オリゴ糖添加がパンの物性に及ぼす影響
長谷川 孝子大野 知子
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1995 年 20 巻 p. 71-74

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抄録

整腸作用の機能性を有する食品として市販されているオリゴ糖をパンに添加することで日常的に, ある程度摂取増量も期待できるものと考え, パンにオリゴ糖を添加調製した.そのオリゴ糖添加がパンの物性, 水分動向に及ぼす影響をみた, その結果, オリゴ糖(フラクトオリゴ糖, キシロオリゴ糖, βグルコオリゴ糖)を添加したパンは無添加に比べ, 比容積はいずれも減少した.弾性率は増大した.しかし2日保存後, フラクトオリゴ糖添加は無添加の場合に比較して弾性率が低くなり, パンが硬くなるのが抑制された.水分量はフラクトオリゴ糖, キシロオリゴ糖添加によって水分蒸散を抑え, やや高い傾向を示した.水分活性はオリゴ糖添加によって, 無添加より低値であり, また1日保存のキシロオリゴ糖添加が特に低値であった.パンの測色において内相部の明度は無添加に比べ, オリゴ糖添加では低く, 明るい白色が減少した.外皮部の焼き色では, 赤色味のa値はフラクトオリゴ糖, βグルコオリゴ糖添加では高値で褐変を生じた.しかしキシロオリゴ糖添加では, 無添加に比べ, a値は低く, b値が高いため, 焼き色として鮮やかな黄色に焼き上がり, 焼き色の改善効果が認められた.

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© 1995 名古屋文理大学
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