名古屋文理短期大学紀要
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食生活の中の魚についての一考察(第2報)
田口 和子長野 みさを浅井 直美
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1995 年 20 巻 p. 99-109

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抄録

さきに第1報にて本学学生の家庭での生鮮魚類と水産加工品の購入と料理などについての実態調査を行い, 本学学生については, 魚離れの心配のないことを記した.引き続きその後5年間の変化を調査した結果, 魚購入に関しては学生の家庭の約80%がスーパーマーケットを利用し, しかも調理手間のかからない切り身で購入する家庭が59%あることを示した.魚料理の調査では, 好きな魚の料理名については第1報では焼き物, 第2報ではさしみ, また好きな魚は第1報はさんま, 第2報ではぶりと高級志向が現れている.水産加工品の使用頻度は第1報より減少して, 竹輪, かつお節, かまぼこなど幅広い料理に利用されているものの出現率が高い.嗜好については第1報と第2報とも大差はなかった.次に使用頻度の高い生鮮魚類と水産加工品の他に獣鳥肉類, 野菜・いも類, 果物類を選びSD法にてイメージ調査を行った結果, 「調理手間」「食べる手間」の項目については, 生鮮魚類の下ごしらえよりも果物の皮をむく手間の方が低い評価が得られたことは予想外であった.また魚離れも料理の工夫によって, ある程度防止できるのではないかと考え, いわし, さばの試料を用い検討した結果, 特にさばの揚げ物料理は良好な評価が得られた.今回の調査から下宿生(37.5%)は魚購入・魚料理を作る回数がほとんどない状態であること認めた.

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© 1995 名古屋文理大学
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