名古屋文理短期大学紀要
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適温供食に関する一考察(第8報) : Colormatの色調が温度感覚に及ぼす影響
小倉 れい内田 初代小田 良子板津 みどり松田 秀人宮澤 洋子
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1995 年 20 巻 p. 93-97

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抄録

食品の外観特性の1つである色は, 食品を官能的に評価する際, 最初に強く印象づける要素をもち温度感覚にも影響を与える因子1)であることを前報で報告2)したが, 今回も更に食品をとりまく色調の視覚が, 温度感覚にどのように影響をあたえるかColormatの10因子により温度管理向上の為の基礎資料を得る目的で本学女子学生586名を対象に調査, 研究を行った.材料の調整は, 食パン1枚・茹卵1ケ・レタス30g・プチトマト20g・マヨネーズ20gを白丸皿¢23cmに盛りつけ同じもの10皿を検体とした.その検体の下に10色因子のColormatを敷き被検者は1〜10因子の順に食品を視覚から温かく感じる度合いのカテゴリーで5段階に評価した.色の測定は, Hunter表色系よりL値・a値・b値で彩度・色差を求めた.その結果, Colormatの色調のL値はYellowとLight blue, a値はRedとPink, b値はYellowとBrown, 彩度はRedとYellow, 色差はYellowとLight blueの順に高い値を示した.10因子の温度感覚の高い順位は, Red・Brown・Pink・Yellow・Light pink・Light brown・Green・Blue・Light blue・Blackの順に温かい傾向を示した.色調aとColormat Redの相関はr=0.739,色調aとPinkはr=0.728となり, Colormatの視覚による温度感覚は色調aの高いmatを導入することにより温度感覚に有効性を与えることを認めた.栄養教育を受けている熟練者(2年生)と非熟練者(1年生)との視覚温度感覚の関係は両者共温かく感じるColormatは第1位Red, 第2位Brownに同傾向を示したが第3位は熟練者がYellow, 非熟練者はPinkであった.

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© 1995 名古屋文理大学
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