名古屋文理短期大学紀要
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ポリエチレンの熱分解反応
下田 隆信
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1997 年 22 巻 p. 91-97

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抄録

プラスチック廃棄物より有効物質の回収を目的として, ポリエチレンをオートクレーブを使用して水素化分解と窒素雰囲気中で熱媒体として水を添加して熱分解し, その影響について検討し, 下記の結果を得た.(1)H2O存在下での熱分解では水蒸気によってポリエチレン分解時の局部過熱が抑制され, スチームクラッキングのような状態になり, ガス化が抑制されて液化率が上昇した.(2)H2Oの添加量は試料10gに対して約5mlが最適であった.(3)水素化分解での液状生成物のオレフィン分はH2初圧が高いほど, 反応時間が長いほど減少した.(4)水素化分解, H2O存在下での熱分解の液状生成物の平均分子量(M)は170前後で, 市販の灯油の成分に類似するものが得られた.

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© 1997 名古屋文理大学
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