名古屋文理短期大学紀要
Online ISSN : 2433-6548
Print ISSN : 0914-6474
オーストラリアにおける財務報告制度
吉田 洋
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1999 年 24 巻 p. 37-45

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抄録
本稿は, オーストラリアにおける財務報告制度の背景と特徴を明らかにしようとしたものである.オーストラリアの財務会計制度は「真実かつ公正な概観」という英国会計制度の流れを汲み法的規制にとらわれない慣習・判例を重視して成り立っていたが, 会計制度のフレームワークはグローバル化した経済環境の急速な発展にともないオーストラリアにおいても法制化への道を歩まざるを得なくなった.オーストラリアの財務報告は会社法の規定にしたがって作成され, 会計基準については会社のみに適用される認可会計基準であるAASB基準と広く公的部門を含むすべての報告実体に適用されるAAS基準がある.また, オーストラリアは国際会計基準委員会の加盟国であり, 国際会計基準に対応したオーストラリアの会計基準が公表されている.監査基準についてもいくつかの点で国際監査基準と相違するものの, その体系及び内容とも十分に取り込んでおり, ほぼ同様な内容となっている.アニュアルレポートは一般目的財務報告であって, 会社法, オーストラリア会計基準, 緊急問題グループの合意見解にしたがって作成されている.
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© 1999 名古屋文理大学
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