抄録
大気圧プラズマジェットを用いた浸窒焼入れ法の原理実証実験と相変態領域の諸特性について冷間圧延鋼SPCCを用いて調査した。試料の昇温および浸窒を窒素/水素混合ガスで生成したプラズマジェットの照射により行い,その直後に水焼き入れを行った結果,試料表面の一部に鉄─窒素マルテンサイト相を形成することに成功した。プラズマジェットの照射位置と相変態する領域の関係は,プラズマジェットと試料間の照射距離に依存していることが明らかとなり,照射距離を最適化することによりプラズマ照射中心にのみ選択的にマルテンサイト相を形成できることがわかった。