2021 年 14 巻 2 号 p. 67-71
本研究では,7年にわたって,カラタチ台タンカン‘垂水1号’の秋季から翌春までの褐色斑点発生葉率と落葉率を調査し,気象条件との関係を明らかにした.3月における累積褐色斑点発生葉率および累積落葉率は,それぞれ21.7~99.7%および5.7~88.3%の範囲で年次変動した.3月における累積褐色斑点発生葉率および累積落葉率がそれぞれ90%以上および80%以上の年を多発年,それぞれ50%以下および10%以下の年を少発年とした.3月の累積褐色斑点発生葉率および累積落葉率には,12月の平均気温と関係が認められた.12月の平均気温は,多発年には8.5~10.0 ℃,少発年には11.5~12.0 ℃であった.3月の累積褐色斑点発生葉率および累積落葉率には,11月の降水量とも関係が認められた.11月の降水量は,多発年では少発年よりも少ない傾向であった.褐色斑点葉が11月に発生した年には,11月の降水量が少なかった.