2019 年 40 巻 3 号 p. 147-152
シアネートエステル樹脂は古くから高耐熱の熱硬化樹脂として一部の分野で実用化されている。特にビスマレイミドとのブレンドによるBT レジンは吸湿が改善され,高周波用途向けの材料として優れた特性を持つ。シアネートエステルのホモポリマーは約300 ℃の高いTg を有すが,高い硬化温度,高い重合熱,低い靭性値に課題を残す。しかしながら他のモノマーとの変成やフィラーの添加により,その欠点も補われつつある。パワーエレクトロニクスにおけるインバータ素子の動作温度の上昇はその封止剤や熱伝導性シートに新たな開発目標を与えており,Tg ≧200 ℃領域ではエポキシの他にベンゾオキサジン,マレイミド,シアネートエステルの適用が検討されている。特にシアネートエステルは低い硬化温度で高いTg が期待できるので次世代に向けての適用が期待される。