2019 年 40 巻 4 号 p. 184-199
これまでに錯体化学や超分子化学の領域にわたって発展した細孔性高分子に関して,本稿の前半では細孔性超分子ネットワークの全体を俯瞰することを目的とした。自己集合的に二次元/ 三次元のナノ構造体を構築する機会を提供する五つの細孔性超分子ネットワーク,すなわち金属有機構造体(MOF),水素結合構造体(HOF),共有結合構造体(COF),細孔性有機高分子(POP)と細孔性有機かご状化合物(POC)を選び解説した。MOF,HOF とCOF ネットワークの細孔は可逆的な金属配位結合,水素結合と共有結合を利用することにより細孔が形成されているが,POPとPOCネットワークは空隙を制御する原子団の導入とその分子自身の空孔によって形成している。本稿の後半ではケイ酸塩,ポリシルセスキオキサンとシリコーンへのMOF とPOP ネットワークの展開の可能性を示し,ごく最近展開されてきたシラノールとシランカテコラートのつくるHOF とMOF ネットワークについて解説した。