2020 年 41 巻 6 号 p. 245-251
本稿では,エポキシ系ポリマーモノリス膜の力学特性向上を目的としたセルロース繊維との複合化について報告する。エポキシモノマー,アミン硬化剤,ポロゲンからなる重合液をセルロース繊維シートに含浸させ,熱硬化による重合誘起スピノーダル分解型相分離に供し,ポロゲンを除去することで,セルロース繊維で補強されたエポキシ系ポリマーモノリス複合膜を得た。熱硬化に際して,犠牲膜であるポリビニルアルコールで被覆した基板で含浸膜を挟んでも,あるいは,含浸膜を吊り下げても,表面にスキン層のない自立膜を得た。モノリス複合膜は,ニートモノリス膜に比べ大幅なヤング率および強度の向上を発現した。また,リチウムイオン電解液を含浸した複合膜は,ポリオレフィン系セパレータに匹敵する高いイオン伝導性を示した。エポキシ系ポリマーモノリス複合膜の高耐熱性や迂曲チャネルの特徴を活かすことにより,ポリオレフィン系を代替する次世代セパレータとなりうると期待される。