2020 年 41 巻 6 号 p. 260-264
光分解性架橋剤とは,多官能の重合性基を光分解性ユニットでつないだ架橋剤である。通常の架橋剤と同様の方法で,分解ユニットを均一かつ確実に架橋樹脂に組み込みやすい。最近の報告例では,一般的なo- ニトロベンジルカルボニルユニット,クマリンメチルユニットとともに,第三級エステル,ルテニウム錯体などの光分解性ユニットが,アクリラートとのラジカル重合や,エン-チオール,クリックなどの様式で重合できるよう設計されている。これらは主に水溶性モノマー・ポリマーと組み合わされ,光分解性ヒドロゲルとして医用材料での応用展開が図られている。また,オキシムエステル系の光分解性架橋剤もアクリルまたはウレタン樹脂の架橋剤に用いられ,架橋構造の形成と,その光分解が確認された。光分解性架橋剤の架橋構造の形成と分解の物性評価には,UV レオメータが有用であった。