2022 年 43 巻 1 号 p. 9-13
潜熱蓄熱材として使用される水やパラフィン等は融解・凝固といった相変化を伴うため密閉構造を必要とするが,側鎖に結晶構造を有するポリマーは融解する温度を超えても液状化せず密閉構造を有さない構成が可能となる。本報告では高い蓄熱密度を有するポリエチレングリコール(PEG)に着目し,側鎖にPEG 構造を有するアクリルポリマーの融点と融解熱量の制御方法について検討した。評価サンプルはPEGモノアクリレート(PEGMA)とPEG ジアクリレート(PEGDA)からなる重合物としてポリマーシートを作製した。異なる分子量のPEGMA 及びPEGDA の共重合物の蓄熱特性は,その混合比から算出できる平均分子量と正の相関があることが確認できた。また,共重合物の融点はPEDMA またはPEGDA の単独重合物の値を上限もしくは下限とし,その間の温度領域となることが分かった。PEDMA の含有比率の増大に伴って融解熱量が向上する一方,融点以上の温度域では低弾性率化する傾向にあることも確認した。