2023 年 44 巻 1 号 p. 35-40
第5 世代移動通信システム(5G)や第6 世代移動通信システム(6G)は,様々なモノがインターネットに接続される技術(IoT:Internet of Things)を支える社会基盤として重要である。これらの次世代通信では,より高速な通信を可能とするため,使用周波数が高くなることが想定されている。そこで,基板材料においては,高周波伝送で課題となる伝送損失の少ない材料が注目されている。本稿では,ポリフェニレンエーテル(PPE)に着目し,その特性や低損失材料への応用について紹介する。PPE は優れた誘電特性を有することから,高周波用途の基板材料として適している。しかしながら,熱可塑性樹脂であることや溶剤溶解性が低いことから,基板材料としては加工性に劣っていた。そこで,熱硬化性のPPE や溶剤可溶性のPPE が開発され,基板材料としての応用が進められている。PPE を用いた基板では,伝送損失が小さいことも示されており,今後の展開が期待される。