2023 年 44 巻 4 号 p. 177-185
高速通信多層積層板用途向けに,誘電正接(Df)値の低いポリフェニレンエーテル(PPE)骨格を有する新規のネットワークポリマー材料(VS-970)を合成し評価した。VS-970 単独硬化物は低いDf 値と高いTg を示す靭性のある硬化物となりその硬化メカニズムを解析した。VS-970 は誘電正接Df 値が極めて低いスチレン・ブタジエンブロックコポリマーの水素添加物(SEBS)と優れた相溶性を示すことから,Df 値を高める相溶化剤を使用することなく均一な硬化性樹脂組成物を処方することが可能となった。その結果VS-970/SEBS 配合硬化物は非常に低いDf 値(0.0029@10 GHz)を示した。配合するSEBS の構造比率により硬化物のDf 値が大きく異なり,それは形成される硬化物の相分離構造の相違に依ることが判った。