5G 通信ミリ波領域向けCCL(銅張積層板)には低誘電に加え高Tg(ガラス転移点)即ち,耐熱性が要求される。低誘電と耐熱性材料はトレードオフの関係であり,これまでこれらを満たす決定的な材料が提案されてこなかった。そのため高分子に数種のモノマー類,無機フィラー類を添加し,硬化することで,これら耐熱性と低誘電のバランスをとってきた。しかしながら,これら複数材料の添加は相溶性を満足させることが課題であり,必ずしも有効な手段ではなかった。そこで,一分子鎖に複数の機能性ユニットを組み込む共重合体(ブロック状高分子)が提案された。本著において,はじめにCCL に求められる低誘電,銅箔剥離及びガラス転移点に寄与する高分子ユニットの解析を行った。次にそれに基づき,低誘電と耐熱性を満たす材料として一分子鎖にこれら2 つの機能ユニットを組み込んだ高分子材料をデザインし,その効果を確認した。イソボルニルメタクリレートユニットと1,2-ポリブタジエンユニットからなる共重体はCCL 材料として優れた効果を発現した。その効果を論じていく。