ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
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クエン酸由来トリカーボナート(CA-TC)樹脂の合成と樹脂硬化物の性質
沖田 亮松本 幸三
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2024 年 45 巻 5 号 p. 236-244

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抄録

クエン酸の3 つのカルボキシル基に対してアリル化,エポキシ化,二酸化炭素挿入を行うことで,クエン酸由来の3 官能性5 員環カーボナート(CA-TC)樹脂を合成した。得られた樹脂にトリオキシエチレンジアミン (TODA)を加え加熱硬化を行うことでフィルム状CA-TC/TODA 樹脂硬化物が得られた。得られた硬化物の熱物性を示差走査熱量分析(DSC)および熱重量分析(TGA)により検討したところ,ガラス転移温度(Tg)と5% 重量減少温度(Td5)は,それぞれ-23.8 ℃,223 ℃と求められた。これらの結果から,この樹脂硬化物は室温でゴム状であり,高温では容易に熱分解可能であることがわかった。硬化フィルムの引張試験の結果,この材料は引張弾性率0.46 MPa,破断強度0.26MPa,破断伸び0.68 で,非常に柔軟でしなやかであることがわかった。 硬化物の酵素分解実験の結果,リパーゼ(豚膵臓由来)およびプロテーゼ(ストレプトマイシン生産菌由来)で高い分解性を示すことがわかった.

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© 2024 合成樹脂工業協会
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