ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
総説
エポキシを構成物としたビトリマー設計
林 幹大
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2025 年 46 巻 5 号 p. 268-276

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抄録

「架橋樹脂」のサスティナブル化はどのように実現できるか?このような問いに対する挑戦は,SDGs に関する意識の高まりの中で重要度を増している。架橋形成によって強度,寸法安定性,耐熱性,耐溶媒性などの諸物性に優れた樹脂が得られる利点は,一方で,リサイクルの困難さを招いてしまう。この問題に対し,おおよそ2000 年代以降、動的共有結合を利用したサスティナブル架橋樹脂が開発されるようになっている。最近では,動的共有結合の中でも,新しい結合交換様式を有するビトリマーと呼ばれる架橋樹脂が注目を浴びている。材料としての歴史はまだ浅いものの,2011 年の報告以降,分子設計開発や機能開拓,基礎物性の理解が進められてきた。本稿では,ビトリマーの定義及びその物性的・機能的特徴,さらにエポキシ分子を用いた分子設計や商用ポリマーのアップサイクルに関する知見を概説する。

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© 合成樹脂工業協会
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