2026 年 47 巻 1 号 p. 13-23
スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体(SIS)/ビニルベンジルエーテル末端基ポリフェニレン エーテルオリゴマー(VB-PPE)組成物の物性を調べた。SIS とVB-PPE をトルエンに溶解・混合し,トルエンを揮発させ組成物シートを得た。動的粘弾性評価によりVB-PPE はSIS 中のポリスチレンハード相に選択的に相溶したことがわかった。次いで,SIS 組成物中でのVB-PPE 末端ビニル基のラジカル反応による熱架橋を試みた。SIS 単独では120 ℃以上の温度域で弾性率が著しく低下するが,SIS/VB-PPE 組成物では弾性率低下が抑制された。また,加熱温度が上昇するほど組成物のゲル分率(架橋度)は増加した。VB-PPE の末端ビニル基がポリスチレン相中で反応し半相互侵入高分子網目(semi-IPN)を形成し,組成物の物理的耐熱性や耐溶剤性を向上させたと考えられる。放射光小角X 線散乱および透過電子顕微鏡を用いて組成物の相構造を解析した。VB-PPE のポリスチレンハード相への選択的相溶および架橋形成の両方が相構造に変化を与えたことが知られた。