2026 年 47 巻 1 号 p. 45-54
シリカ粒子をシランカップリング剤(SCA)で多分子層処理し,界面でSCA 鎖と母材分子鎖で厚さを持ったInterphase を形成させることによる補強性の向上を検討した。SCA のアルコキシ基の数が2 の場合はヘア状の,3 ではネットワーク状の処理層が形成される。母材が加硫ゴムの場合,補強性は前者の方が高かった。分子鎖の絡み合いの効果による。アルコキシ基の数が2 と3 の混合処理では,2 に3 が少量含まれる場合の効果が高かった。SCA 鎖の緩やかなネットワークと母材ネットワークによる相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)形成の効果による。SCA の添加方法には予め粒子を表面処理する前処理法と母材,粒子と一括混合するインテグラルブレンド法があり,補強性は後者の方が高かった。SCA ネットワークの形成とゴムの加硫が同時に起こるので,より絡み合ったIPN が形成されるためである。