ネットワークポリマー
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水溶性二官能性エポキシ化合物を用いたポリ(γ- グルタミン酸)の水中での架橋反応
松本 幸三徳 都藤井 政幸七戸 誠遠藤 剛
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2009 年 30 巻 3 号 p. 136-141

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抄録
炭酸水素ナトリウムを添加して pH4 ~ 5.5 に調整したポリ(γ- グルタミン酸)(γ-PGA)の水溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDE)を加えて 70 ℃~ 80 ℃に加熱することで,γ-PGA 内のカルボキシル基と EGDE 内のエポキシ基間にエステル結合を形成させてγ-PGA 架橋体ヒドロゲルを合成した。必要に応じて生成物を中和し凍結乾燥を行うことでパウダー状のγ-PGA 架橋体が得られた。γ-PGA モノマーユニット1モルに対して0.05モルに相当するEGDEを添加し,反応時のpH,反応温度,反応時間を種々変化させて実験を行ったところ,これらの諸条件によって得られる架橋体ヒドロゲルの性状,ならびに乾燥後架橋体の吸水性が大きく異なることがわかった。pH4 の酸性条件下では,エステルの生成反応とともに加水分解反応の進行が見られた。pH5.5 の微酸性条件下,70℃で 4 時間反応させて得られた架橋体は吸水比1200 に達する高い吸水性を示し,吸水後には高い粘性を有するヒドロゲルが得られた。
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© 2009 合成樹脂工業協会
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