ネットワークポリマー
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ナフトールとビスクロロナフタレンとの重縮合により得られるナフトール樹脂を基盤とするエポキシ樹脂の合成とその硬化物の物性
福永 智美大神 浩一郎中原 和彦梶 正史遠藤 剛
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2009 年 30 巻 3 号 p. 142-148

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抄録
1- ナフトールとビスクロロメチルナフタレンの重縮合反応により得られるナフトール樹脂を用いて連結鎖にナフチレン構造を有するナフトール系エポキシ樹脂(NANAE)を合成した。これを用いてフェノールノボラックを硬化剤として得られる硬化物を作成し,フェニレン構造を連結鎖に持つナフトール系エポキシ樹脂(NAE)およびフェノール系エポキシ樹脂(PAE)の硬化物との物性を比較した。動的粘弾性測定の結果,ゴム状態での貯蔵弾性率は,PAE>NAE>NANAE の順で低下する一方,ガラス転移点(Tg)は NANAE が 183.1℃と最も高い値を示した。また,ガラス状態での熱膨張係数は,PAE>NAE>NANAE の順で NANAE 硬化物が最も小さい値を示した。これらの結果は,NANAE中の剛直なナフタレン骨格の高い含有率に起因するものと考えられる。
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© 2009 合成樹脂工業協会
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