ネットワークポリマー
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総説
最近の脂環式エポキシ樹脂の技術動向
内田 博新井 良和
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 31 巻 4 号 p. 177-190

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抄録
脂環式エポキシ樹脂は,オキシラン環の構造の違いにより,シクロアルケンオキサイドタイプと,脂環族多価アルコールポリグリシジルエーテルに分けられる。合成法としては,前者は複数のシクロアルケン骨格を持つものを直接エポキシ化する方法と,(メタ)アクリル基,アリル基のような他の官能基を持つ二官能型シクロアルケンオキサイドを予備重合させることによりエポキシ樹脂を得る方法がある。また,後者については芳香族グリシジルエーテルを核水添する方法,脂環族ポリアルコールをエピクロルヒドリンでグリシジルエーテル化を行う方法,およびアリルエーテルをグリシジルエーテルにエポキシ化する方法がある。特に製造方法については環境への負荷が小さい過酸化水素によるエポキシ化反応の重要性が増してきている。また,樹脂の改良はUV 硬化の速い系や絶縁性能の向上についての検討が行われており,用途に関しても,LED 封止材やプリンタブル材料への開発が進められており,今後の発展が期待される。
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© 2010 合成樹脂工業協会
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