ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
報文
ルイス酸処理によるリグノフェノールの フェノール系原料への誘導
三亀  啓吾舩岡  正光
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2011 年 32 巻 2 号 p. 70-77

詳細
抄録
自然界に最も豊富に存在するリグニンは,高分子フェノール化合物ではあるが,そのフェノール活性は極めて低い。そのためリグニンの利用は進展してこなかった。そこで本研究では,リグニン中に存在する種々のエーテル結合を選択的に逐次開放することにより,フェノール化を行い,最終的にはモノフェノール化を行うことにより,天然リグニンの芳香族化学原料化を検討した。まず,第一段階として低フェノール活性ではあるが潜在的フェノール活性を持つ天然リグニンを相分離系変換処理により,ベンジルエーテルの開裂およびフェノールグラフィティングにより高フェノール活性であるリグノフェノールに変換,続いて第二段階として,アルカリ2 次機能変換によりリグニンの主要単位間結合であるβ- エーテル結合を開裂,そして,第三段階としてルイス酸処理によりリグニン芳香核メトキシル基を脱メチル化とモノフェノール化することにより,リグニン潜在的フェノール性水酸基を逐次活性化することが可能であった。これはリグニン生合成過程の逆経路に従っている。また,このようなリグニンエーテル結合の逐次開放は,生態系でのリグニン分解機構にも類似している。
著者関連情報
© 2011 合成樹脂工業協会
次の記事
feedback
Top